甲状腺疾患

甲状腺疾患について
健康な甲状腺の働きと異常のサイン
甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、身体の代謝や体温・脈拍などに関わるホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると、全身に様々な症状が出ることがあります。症状があいまいなことも多いため、気になる変化があれば早めの評価が大切です。
こんな症状でお悩みでは
ありませんか?
- 動悸・脈が速い・息切れしやすい
- 手のふるえ・汗をかきやすい・暑がり
- 体重が減る(食欲はあるのに)/疲れやすい
- 眠れない・落ち着かない・イライラする
- だるい・寒がり・むくみやすい
- 体重が増える・便秘・肌が乾燥する
- 抜け毛が増えた
- 首の腫れ(甲状腺が大きい気がする)、のどの違和感
- 健診でTSH・FT3・FT4などの異常を指摘された
甲状腺疾患の種類
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
甲状腺ホルモンが多くなる病気で、動悸・手のふるえ・汗をかきやすい・暑がり・体重減少・疲れやすいなどの症状がみられることがあります。原因として多いのがバセドウ病で、自己免疫の影響により甲状腺が刺激され、ホルモンが過剰になる病気です。
また、甲状腺ホルモンが過剰な状態は脈が速くなったり不整脈が起こりやすくなるなど、心臓に負担がかかることがあります。
検査について
当院では血液検査(TSH・FT3・FT4など)に加え、必要に応じて甲状腺エコー(超音波検査)を行い、状態を評価します。
また、バセドウ病が疑われる場合は、原因の評価として自己抗体(TSH受容体抗体:TRAb など)を測定し、診断や治療方針の参考にします。
治療について
治療には薬物療法、アイソトープ療法(放射線治療の一種)、甲状腺を切除する手術の3つがあり、まずは内服薬による治療を開始することが多いです。
薬物療法では、内服薬である抗甲状腺薬を使用します。副作用が比較的起こりやすい薬であるため、開始後最初の3ヵ月は2~3週間おきに採血を行い、副作用がないかを確認しながら治療を進めます。
精密検査や専門的治療(手術・アイソトープ治療など)が必要な場合は、連携医療機関へご紹介します。
甲状腺機能低下症(橋本病など)
甲状腺ホルモンが不足する病気で、だるさ・寒がり・むくみ・体重増加・便秘・肌の乾燥・眠気などの症状がみられることがあります。原因として多いのが橋本病(慢性甲状腺炎)で、自己免疫の影響により甲状腺の働きが低下していく病気です。
また、甲状腺ホルモンが不足すると、疲れやすさやむくみだけでなく、脂質異常や脈の遅さなど全身の不調につながることがあります。
検査について
当院では血液検査(TSH・FT3・FT4など)に加え、必要に応じて甲状腺エコー(超音波検査)を行い、状態を評価します。
橋本病が疑われる場合は、原因の評価として自己抗体(抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体など)を測定し、診断や経過観察の参考にします。
治療について
治療は、不足している甲状腺ホルモンを補う補充療法(内服)が基本です。
症状と検査値を見ながら、少量から開始して調整し、安定した状態を目指します。妊娠中・妊娠希望の方では管理目標が異なることがあるため、状況に応じて方針をご提案します。
甲状腺腫瘍(結節・しこり)
甲状腺にできる「しこり(結節)」で、健診や触診、首の違和感をきっかけに見つかることがあります。多くは良性ですが、一部に治療が必要な腫瘍が含まれるため、適切な評価が大切です。
大きさによっては圧迫感や飲み込みにくさ、声のかすれなどの症状が出ることがあります。
検査について
当院では甲状腺エコー(超音波検査)を行い、結節の大きさや性状を評価します。
所見に応じて血液検査も併せて行い、追加の精密検査が必要かどうかを判断します。
治療について
経過観察でよい場合も多く、定期的にエコーなどで変化を確認します。
穿刺吸引細胞診(FNA)、手術などの精密検査・治療が必要と判断した場合は、連携医療機関へご紹介します。